台風は、唯一事前にわかる災害なので、上陸するまでに・危険が及ぶ前にどれだけ備えておけるかが非常に重要なポイントとなります。
台風が発生し日本列島へ接近すると、暴風警報や大雨警報、警戒レベル4というような様々な言葉がテレビで使用されていますが、実際にはどのタイミングで避難を決めるべきなのでしょうか?
この記事では台風の知識や避難のタイミング、在宅避難の判断基準について解説します。
大型の台風って具体的にどれくらい大きいのかご存知ですか?
大雨や台風による災害は毎年発生している
毎年のように上陸する台風は私達に多くの影響をもたらします。
大雨により河川が氾濫し、浸水被害が起こり、土砂災害を誘発するほか、暴風雨による倒木などによってライフラインが途絶えてしまったりと被害が多方面に渡ります。
ところで台風は年間でどのくらい発生し、どのくらい上陸しているのでしょうか。
気象庁の台風発生数 によると直近10年のデータでは、年間20個〜30個ほどの台風が発生し、そのうち3個〜6個ほどの台風が日本へ上陸しています。
台風の強さと大きさ
台風が発生すると、「猛烈に発達した台風が接近中」、「大型の強い台風が発生」というような呼び方がされていますが、具体的には台風大きさや強さによって台風の階級が次のように区分されています。
強さの階級分け
階級 | 最大風速 |
強い | 33m/s(64ノット)以上~44m/s(85ノット)未満 |
非常に強い | 44m/s(85ノット)以上~54m/s(105ノット)未満 |
猛烈な | 54m/s(105ノット)以上 |
台風の強さは「最大風速」で区別します。
以前は台風の強さで「弱い」といった分類もあったそうですが、廃止になったので現在は「強い」、「非常に強い」、「猛烈な」の3階級です。
強さの階級の一番下の「強い」にあたる風速33m/sでも、木が折れたり住宅が倒壊するといった非常に危険な風です。
猛烈な台風に比べて大したことはなさそうということでは決してありません。
大きさの階級分け
階級 | 風速15m/s以上の半径 |
大型(大きい) | 500km以上~800km未満(関西〜東北をおおうほど) |
超大型(非常に大きい) | 800km以上(本州をすべておおうほど) |
台風の大きさに関しては強風域(風速15m/s以上の強風が吹いていたり吹く可能性がある範囲)で区別しています。
風の強さの目安は以下の図を参考にしてみてください。
大きさの階級に関しても以前は小さいという区分がありましたが弱いと同様にすでに廃止されたので大型と超大型の2種類です。
大型の時点でもかなりの大きさであることがよくわかります。
また、風速25m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲を「暴風域」と呼びます。
避難に適切なタイミングはいつ?
避難するタイミングを判断するには台風の強さや大きさではなく、5段階の「警戒レベル」という防災情報を確認すると誰にでも簡単に理解できます。
警戒レベルとは
警戒レベルとは次の図のように、今起こっている災害がどのくらい危険なのかという状況を「直感的に」理解し、適切な避難行動が取れるようにするための防災情報のことを言います。
内閣府の避難情報に関するガイドラインでは住民が自らの命は自ら守り、自らの判断で避難行動をとる方針が示されています。
警戒レベルよりも先に、「土砂災害警戒情報」や「氾濫危険情報」といった危険な場所から離れるべき情報が先に発表されることも多いので、そのような場合には発表された情報がどの警戒レベルにあたるのかと自ら考え、早期な避難行動につなげることが大切です。
避難するべきタイミングは主に2つある
多くの人に当てはまる主な避難のタイミングは警戒レベル3、もしくは警戒レベル4が発令された場合です。
警戒レベル3=高齢者等は避難
高齢者等と表示されていると、高齢者がいない家庭は関係がないと思われがちですが、正しくは「避難に時間がかかる人は早めに避難」です。
例えば、小さな子供がいる家庭や障害を持つ方がいる家庭、避難に時間がかかる方をサポートする方も高齢者等は避難のタイミングで警戒レベル3にて避難開始するべきです。
もちろん、警戒レベルが1〜2といった場合にも早めに避難所が開設されている場合もあるので警戒レベル3を待たずに自主避難もできます。
警戒レベル4=全員避難
ここでいう全員避難は「危険な地域にいる方は全員、安全な場所へ避難する」ということを意味します。
危険な地域とは、海岸や増水した川の近くといった浸水リスクが高い場所や、崖や沢、土砂崩れの危険がある箇所などがあげられます。
逆に、危険な地域でなければ避難しなくても良いと言い換えることもできます。
例えば、同じマンションでも1階や2階といった低層階ではなく、上層階の浸水リスクがない階層に住んでいる方は避難するよりも自宅に残る方がかえって安全である場合があります。
地域によって危険度は異なるので、一概に何階以上は安心とは断言できませんが、自分が住む地域のハザードマップの「最大想定浸水深」を見てみるとよいでしょう。
キキクルを活用するのもおすすめ
キキクルとは気象庁の危険度分布の愛称で「危機来る」が由来です。
大雨や洪水による災害の発生の危険度がどのくらい高いのか、地図上で紫や赤という色分け表示して一目でわかるようになっています。
気象庁のWEBサイトから見られるのでぜひ一度、どのようなサイトか一度確認してみてください。
キキクルのアプリはありませんが、スマートフォンでも気軽にチェックできますよ!
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在宅避難も検討する
命を守るためにも早期避難が非常に大切であることをお伝えしてきましたが、自宅から動かずに避難できる「在宅避難」ができるかどうかも事前に考えるべきです。
在宅避難ができるかどうかの判断基準として、以下のポイントが挙げれれます。
・風水害の場合は自宅に浸水の危険性がないとき
以上のように「自宅が安全」であると判断できる場合には在宅避難が可能です。
感染症対策の観点からも、現在は在宅避難を選択する分散避難が推奨されているので、可能な限り在宅避難を選択できると、被災中のストレスも軽減できますよ。
台風で避難する前にしておくべきこと
警戒レベルが発表されてから避難準備をしていると本来の目的である早期の避難につながりません。
そこで、台風が上陸する前いn事前にしておくべきことがいくつかあります。
日頃からハザードマップで危険箇所の確認
浸水リスクや土砂災害リスクのように、まずは自宅にどんな危険があるのか、ハザードマップで事前に知っておくことが一番大切です。
ハザードマップは、過去に発生した災害の被害情報をもとに、今後の災害でどのくらいの被害が発生するのかを予測した地図です。
ハザードマップはお住まいの市区町村のWEBサイトから見られる他、国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」でも確認できます。
避難所までの避難ルートを確認
ハザードマップで自宅や職場の危険度を認識し、危険な可能性がわかったら避難所の場所と避難ルートも併せて事前にチェックする必要があります。
例えば、一番近い避難所が川を超えた先にあるとしたら、川とは離れた2番目に近い避難所のほうが安全なケースも考えられるので、避難所の場所はもう知っているという方も改めて避難ルートまで再確認すると安心です。
思わぬ危険もあるので避難ルートは実際に歩いてみましょう!
家の外や室内の安全対策
できるかぎり自宅内外の被害を最小限にするためにも、実際に避難する前の事前の対策が必要です。
具体的には以下のようなことがあげられます。
・窓に飛散防止フィルムを貼る
・玄関や裏口の浸水しそうな隙間をうめておく
・外にあるもの(物干し竿や植木鉢、自転車など)を家の中に入れる
正しい情報を得るために、事前に防災アプリのダウンロードや公的機関のTwitterをフォローしておくのもおすすめです。
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避難直前の最終確認
実際に避難するとなった場合、最後に忘れてはいけないことがブレーカーを落とすことです。
なぜなら、ブレーカーを落としてから避難しないと、停電から復旧して、通電した際に発火する「通電火災」が起こる可能性があるからです。
過去には実際に、災害後に電気ヒーターが倒れていて、通電した際に発火して自宅火災が起こった例もありました。
悲しい二次災害を起こさないためにも必ずブレーカーを落としてから避難することを心がけましょう。
ブレーカーを落とし忘れないか不安だなという方は台風ではなく、地震に有効な通電対策グッズがあるのでこちらの記事も参考にしてみてください。
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避難時の注意点
実際に避難する際には以下のような点に注意してください。
可能な限り複数人で避難する
単独での避難は、万が一トラブルに巻き込まれた場合などにすぐに助けを呼べずに危険です。
避難の際には、隣近所で声を掛け合ってできるだけ複数人で行動するようにしましょう。
基本的に歩いて避難する
早く避難するためにも車を使おうと考えがちですが、実は車での避難は非常に危険です。
浸水すると水圧でドアが開かなくなる危険があるほか、車での避難は渋滞を引き起こし避難を妨げることにもなりかねません。
足の不自由な方を緊急で避難させるためといった緊急事態のような場面では車の避難が適切という場合もありますが、基本的には徒歩での避難が原則です。
避難時には極力両手をあけておく
災害にはどのような危険があるかわかりません。
例えば、物が飛んできたときにとっさに頭を守るといった行動には両手をあけておくことがどうしても不可欠です。
懐中電灯をヘッドライトにしたり、防災バッグはリュックタイプにするといった極力両手をあけておく装備にすることをおすすめします。
防災リュックは水でしみないことが鉄則です。大雨の避難でも安心な水に強い防災リュックを採用したおすすめの防災セットをこちらの記事で解説しています
長靴をはかない
雨なので長靴をはいて避難するイメージがありますが、実は長靴での避難は厳禁です。
長靴の中に水が入って重くなり、動きづらくなる可能性があるので、動きやすい運動靴をはいて避難しましょう。
浸水している場合は傘や杖を使う
すでに浸水が始まっているような場合では蓋の開いたマンホールや側溝が目視できず、ケガをするおそれがあります。
身を守るためにも傘や杖といった棒状のものを使い、探りながら気をつけて歩くことが大切です。
明るいうちに避難する
夜間や暗い中に避難するのは周りがよく見えないので、安全に避難するのがとても困難です。
夜中に大雨や洪水が発生することが予想される場合には、明るいうちに早めに避難しましょう。
明るいうちとはいえ、雨天時だとやや暗い可能性もあるので、避難時のライトは懐中電灯ではなくヘッドライトを使用して両手を塞がないようにしましょう。
LITOMのヘッドライトは雨に強い防水仕様なので非常におすすめです。
早期避難や在宅避難の判断には事前の備えが大切
早期避難をするにしても、在宅避難をするにしても、まずは自宅にどんな危険が考えられるのか知ることがとても重要です。
浸水や土砂崩れのような早期避難が必要な危険があれば、いつでも避難できるように日頃から防災セットを玄関の近くに置くことも大切ですし、在宅避難を検討していれば食料や保存水のような備蓄品を多めに備えることはもちろん、カセットコンロやポータブル電源のような長期のライフライン停止に備えるグッズも余裕を持って備えられます。
長期の停電対策として欠かせないのがポータブル電源です。
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