近年、地震が頻繁に起きていて防災対策を始めようとしている人も多いのではないでしょうか。
そこで今、注目されているのが、普段のバッグに入れておく持ち歩きの防災グッズ「防災ポーチ」です。
この記事では、誰でも今日から実践できる「防災ポーチの作り方」を紹介します。
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防災ポーチとは
防災ポーチとは、外出先での災害に備えて普段から持ち歩く防災グッズです。
災害発生から避難をするまでの、およそ数時間~半日程度を乗り切ることを想定します。
まず、災害の対策グッズには、次の3つの段階の備えがあります。
・1次の備え・・・非常時に持ち出す最低限の防災グッズ
・2次の備え・・・災害が長期化した際の備蓄グッズ
防災ポーチは、このうちの「0次の備え」にあたります。
毎日の通勤や外出バッグに入れておくものなので、防災ポーチを作る際には重すぎず、気楽に持ち運べることがポイントとなります。
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防災ポーチを持ち歩くメリット
防災ポーチを持ち歩くメリットは主に2つあります。
・災害以外にも、日常のアクシデントに対応できる
・なによりも、いざというときに安心ができる
災害は自宅で起きるとは限りません。
外出先で災害や地震が起きた際に、もしエレベーターから長時間出られなくなったら?
交通機関がマヒし、電車が動かなくなって車内で長時間待機することになったら?
防災ポーチは、そんな外出時の非常事態の際に身を守ってくれる安心グッズです。
防災ポーチなんて滅多に使わないのに毎日持ち歩くなんて…と思う人もいるかもしれません。
しかし、事故で電車が止まってしまったり、交通規制の渋滞で車が進まなくなったりというアクシデントは日常でも起こりうる事態です。
そんなときに防災ポーチが手元にあれば、困ることなく落ち着いて対応ができますよ。
防災ポーチを持ち歩くことは、いざというときの安心を得ることに繋がります。
防災ポーチを持ち歩きしてる人ってどれくらいいるの?
ここで、実際に防災ポーチを持ち歩いている人はいるのか見てみましょう。
✅ 防災ポーチ
カジュアルなお出かけのときはこれをいつも持ち歩いてます。
小さめのバッグが好きなのでポーチの中身も必要最低限に。結構普段から役立っています:-)※性別・年齢・生活スタイル等で必要なものは違います。自分で考えて準備を!!#防災ポーチ pic.twitter.com/tDEQH2snZm
— yoko_整理収納アドバイザー (@yoko_home1) May 24, 2020
ふと思い出したので普段カバンに突っ込んでる防災ポーチをUP
徒歩マップ・手廻しラジオ・ライト・人工呼吸用シールド・コンパス・基礎化粧品・コンタクト・マスク・生理用品・常備薬・傷手当て用品・仕事で現地に入る時に読むマニュアル(写真外
ぎゅっと詰めてるからパンパンだな… pic.twitter.com/pzsVPuGj2H— はまなす@かむちゃつか (@mfyhmns217) May 4, 2020
このように、最近では防災ポーチを準備して持ち歩いている人が多くいます。
女性用防災ポーチの中身と作り方
一般的な防災ポーチの中身
まずは、一般的な防災ポーチとはどんなものでしょうか?
災害の発生直後に誰もが必要となる最低限のグッズを、阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター様の減災グッズチェックリストを参考にピックアップしました。
・モバイルバッテリー
・AM/FMラジオ
・アルミシート
・簡易携帯トイレ
・ホイッスル
・ウェットティッシュ
・マスク
・絆創膏
・身分証明書のコピー
・現金(小銭)
並べてみるとこのようになります。
それぞれのグッズがなぜ必要なのか、理由を詳しく説明します。
ポーチ
毎日持ち歩く「防災ポーチ」として最適なのは、軽くて中身が整理しやすいものです。
大きさとしてはA5サイズ(およそ15cm×21cm)以下を目安に選ぶと大きすぎず、小さすぎずで防災ポーチにぴったりです。
今回私は、自宅にあった薄くて軽い旅行用ポーチを使うことにしました。
もし新たに購入するなら、中身が見やすくて取り出しやすいという点から、以下のようなクリアポーチがおすすめです。
スマートフォン
スマホは、ネット回線さえあれば、家族との安否確認や、情報の確認、ラジオを聞く、ということが可能なため、災害時に非常に重要な防災グッズとなります。
また、ライトや地図の機能が使えることで専用のグッズを持ち歩かなくて済むので防災ポーチの中身を軽くできますね。
防災対策の一環として、以下の防災アプリをぜひインストールしてください。
・〈有料〉帰宅支援マップ(首都圏のみだが、オフラインで帰宅支援の地図を使うことができる)
・東京都防災アプリ(いざというときの防災知識を再確認できる)
モバイルバッテリー
災害時、情報を得られる手段であるスマホの充電を切らさないことはとても大切なので、必ず普段からモバイルバッテリーを持ち歩きましょう。
選び方の重要ポイントは以下の通りです。
・急速充電対応(2A以上)
・小さい(150×70まで)
・軽い(200g程度まで)
・薄い(15mm程度まで)
・安全対策がされている(PSEマーク)
我が家で、数年前に購入したこちらのモバイルバッテリーを見直すと5000Ah程しかありませんでした。
これでは災害対策として容量不足なのでとても不安です。
上記に当てはまるモバイルバッテリーを探した結果、薄くて軽い『PHILIPS』のモバイルバッテリーを新たに購入しました。
停電した場合のことを考えると、最低フル充電2回の容量は必須です。
スマホの電源が切れるということは、助けを呼んだりする外部との通信手段が途絶えて危険な状況に陥るということです。
今一度ご自分の充電器を見直してみてください。
▶PHILIPSのモバイルバッテリーのレビューはこちら
AM/FMラジオ
災害時、正しい情報を得ることはとても重要であり、落ち着いた行動にもつながります。
個人的には「0次の備え」としての持ち歩きラジオはスマホアプリでいいかなと考えています。
しかし、万が一スマホの電波が途切れてしまうとアプリはもちろん使えず、最終手段はラジオのみとなります。
持ち歩く余裕がある人には携帯ラジオの購入をおすすめします。
購入する際にはAMをFMで聴ける「ワイドFM機能付き」で軽いものを選ぶようにしましょう。
『ソニーのPLLシンセサイザーラジオ』は名刺サイズで非常にお手軽です。
アルミシート
防寒対策として持ち歩くグッズとしては、小さくて薄いアルミシートが最適です。
我が家では、数年前に100均でアルミシートを購入しましたが、シャカシャカ音がうるさいことに気づき、静音でより保温性が高くてコンパクトな『Eco Ride Worldのエマージェンシーシート』に買い替えました。
避難所では不特定多数の方と過ごすことになるので、アルミシートのシャカシャカ音は「音のトラブル」に発展することも少なくありません。
簡易携帯トイレ
災害後、万が一断水してしまうとトイレが使用不可になります。
100均でも携帯トイレは販売がされていますが、残念ながら防臭性の観点では今一つなものが多いです。
そこでおすすめができるのが、赤ちゃんオムツの消臭袋で有名な『BOS』から発売されている『BOS非常用トイレセット』です。
我が家ではBOSのオムツ袋を使用している経験から、防臭力には絶大なる信頼を置いています。
1日1人あたり5回×3日分は最低限、備えましょう。
\1人向け/
\2〜3名の家族向け/
ホイッスル
ホイッスルは屋内に閉じ込められたり、ガレキの下敷きになってしまった場合に助けを求めるのに必須なグッズです。
大声を出して体力を消耗せずに済みます。
災害直後には、首にかけておくことが重要なので、キーホルダーではなく首から下げられるタイプがおすすめです。
ホイッスルって音が鳴ればどれでも一緒では?と思う人もいるかもしれませんが、実は商品によってかなり違います。
我が家も購入した『コクヨ 防災用救助笛 防災の達人ツインウェーブ』は
・キャップ付きで衛生的
・2つの音域が同時に出るため、より広範囲の人に音が届く
という他ではあまり見られない機能を揃えているのにも関わらず、安価で備えられます。
ウェットティッシュ
ティッシュとウェットティッシュを両方入れるとポーチがパンパンになってしまいます。
どちらかを選ぶなら、体や手を拭いたり、汚れ物を拭き取ったりと使える幅が広いウェットティッシュが最適です。
また、肌に触れることを考えると、アルコールシートではなくノンアルコール・無香料タイプを選びましょう。
マスク
マスクは感染症対策以外でも、防災グッズの必需品です。
災害直後は粉塵が舞ったり、煙が発生したり、火山灰も発生し、空気中に有害物質が多くなることが考えられます。
体に悪いものを吸い込まないようにするためにもマスクを必ず持ち歩きましょう。
絆創膏
絆創膏は、避難中に怪我をした時のために2~3枚は持ち歩きましょう。
特に女性の場合、パンプスやハイヒールで走って避難することを考えると靴擦れを起こしてしまうこと可能性が高いです。
防災用の絆創膏としては『キズパワーパッド』のような、防水製のあるものがおすすめです。
身分証明書のコピー
身分証明書のコピーは、多くの人が忘れがちな大事な紙です。
大規模な災害が起こると、通帳やカード、印鑑が手元になくても身分証明書だけでお金の引き出しが可能になる場合があることをご存知ですか?
実は多くの銀行がそんな特別措置を行います。
身分証明のためにも、運転免許証や保険証は日頃から携帯しておきたいですし、万が一紛失した場合なども考えて、コピーを防災ポーチにいれておくとより安心です。
▶▶ピンタレストからご覧いただいている方は、こちらから防災ポーチに入れる全体のグッズリストを見られます!
現金(小銭)
普段のお財布とは別で現金(10円玉や100円玉といった小銭)を多めに備えましょう。
災害で万が一停電してしまうと、お店で電子決済やクレジットカードが使えなくなることが想定されます。
また、通信規制で携帯がつながらなくなった場合に公衆電話を利用することも考えられます。
その他
普段、コンタクトや眼鏡をしている人は予備が必須もグッズとなります。
ほかにも、もし持ち運ぶ余裕があれば防刃仕様の軍手があると、ガラスが割れたりガレキが落ちてきても手を保護することができます。
女性特有の防災ポーチの中身
上記に加えて、プラスで女性が必要なグッズを「最低限のモノ」、「あれば助かるモノ」の2つに分けて紹介していきます。
・使い捨てショーツ
・常備薬
・防犯ブザー
生理用品
生理ナプキンやタンポンといった自分が普段使っているものを入れておきましょう。
もしかしたら生理の時以外持ち歩いていないという人も多いかもしれませんね。
しかし、普段は生理周期が整っている人でも、災害のショックで周期が乱れて突如生理が始まることも考えられます。
少々かさばりますが、多い日用のものも1枚あると安心です。
使い捨てショーツ
突然の生理や、出血してしまった場合など、そのままの状態ではとても不快ですよね。
使い捨ての予備ショーツが1枚あるだけで、さっと履き替えることができるので心強いです。
『ヨック 使い捨てショーツ』はコットン100%で肌に優しいだけでなく、紙の使い捨てショーツと比べても違和感なく使用できます。
災害用としてだけでなく、旅行用にも使える便利グッズです。
※Lサイズもあります♪
常備薬
生理痛になった場合、効く薬は人それぞれです。
1日分(3回分)を日頃から持ち歩いていると安心です。
防犯ブザー
災害発生が夜だった場合、夜道を歩いて帰ることになるかもしれません。
そんな時に身を守ってくれるのは「防犯ブザー」です。
アプリでも防犯ブザーがありますが、万が一の場合にアプリを立ち上げてブザーを押す余裕があるとは考えにくいです。
防犯ブザーも100均で販売されていますが、ボタンを押し続けていないといけなかったり、防水ではなかったり少し不便な部分があります。
選ぶときには使いたいときに確実に使えることを重視します。
『プチアラーム3』は雨でも使える防水製で、安心の105dBの大音量タイプなので防災にぴったりな防犯ブザーです。
あれば助かるモノ
・ヘアゴム、ヘアピン
・靴下
・マウスウォッシュ/歯磨きシート
・スキンケアセット
・ミニカイロ
・非常食
ワセリン
リップの代わりや、保湿や傷の保護などマルチに使うことができます。
ヘアゴム、ヘアピン
もし、一晩お風呂に入れない状況になったとしても、髪をくくるだけで不快感を軽減することができます。
ヘアゴムは、結んで止血する道具にもなるので、ショートヘアで髪を結ばない人も持ち歩くと便利です。
靴下
ファッションによっては裸足で外出している場合もありますよね。
防寒や足の保護のためにも防災ポーチに靴下を入れておくことをおすすめします。
歯磨きシート
災害用として、歯ブラシを持ち歩く人も多いですが、断水のことを考えると歯磨きシートが必須です。
口腔ケアを怠ると、歯周病から重大な病気につながる可能性もあるので油断しないようにしましょう
スキンケアセット
クレンジングや化粧水のスキンケアセットを1日分持ち歩いておくと、夜の災害で一晩を自宅外で過ごすことになっても安心です。
ミニホッカイロ
冬場はもちろん持ち歩き必須アイテムです。
夏でも場所によっては冷えたり、生理痛対策にもなるため1個持っておくと安心なグッズです。
非常食
飴などの小さなお菓子やシリアルバーを1本いれておくのもひとまずのエネルギー補給になります。
すべて詰めてみた結果
500ミリペットボトル1本分ほどとなりました。
防災ポーチが負担にならない重さの目安200〜300gと言われていますので、ちょっと重たいかな?という印象です。
しかしこのポーチの中には普段のポーチに入っているものが多く入っていましたので分けてみます。
重さを計ると約140gでした。
すべて詰め込んだ防災ポーチから持ち歩いているものを差し引くと355gです。
防災ポーチには入らないけれどイチオシの防災グッズ
水のいらないシャンプー
防災ポーチで持ち歩くのには大きいのですが、断水時に「お風呂に入れなくても髪を洗えるシャンプー」がとっても便利なのでここで紹介します。
使用方法はとても簡単。髪全体にスプレーして軽くマッサージした後にタオルで拭き取るのみ!
女性としては髪の手入れを毎日欠かさずにしたいところなので、防災美容グッズとして1本自宅に置いておきたいです。
女性が持ち歩くべき防災ポーチのまとめ
今回お伝えしたものは多めに選択しているのですべて持ち歩くことが必須ではありません。
しかし、少なくともモバイルバッテリーを始めとした一般的な防災ポーチの作り方は必ず普段から持ち歩きたいところです。
災害大国の日本では、いつどこで災害に見舞われるか分かりません。
命を守るため、いざというときの安心を得るために「防災ポーチ」を持ち歩くことは必須です。
家庭の備えだけではなく、外出中に自分の身を自分で守れるように、せひ「0次の備え」の防災ポーチ作りから取り組んでみてください。