防災訓練と聞くと、学校で行うような集団避難の訓練を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
実は近年、防災訓練のスタイルも変化してきていて、SNSなどで徐々に認知度が高まってきている訓練方法があります。
それが「シェイクアウト訓練」です。
この記事では誰にでもわかりやすく、シェイクアウト訓練のやり方や参加方法について解説をします。
・シェイクアウト訓練の参加方法
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シェイクアウト訓練とは
シェイクアウト訓練とは、実は日本でスタートした訓練ではなく、2008年の10月にアメリカ、南カリフォルニア州で始まった地震の一斉防災訓練です。
防災訓練と言ってもどこかへ参加しに行くのではありません。
事前登録を行うだけで指定日時に合図が届き、誰でも「その場」でできる新しい防災訓練方法です。
シェイクアウト訓練の特徴
シェイクアウト訓練の主な特徴は以下の3つです。
・場所に指定がなく、どこにいても「その場」が訓練場所になる
・ただ訓練するだけでなく事前登録から当日の訓練、訓練後の振り返りまでの1セットになっている
自分で考えて行動する練習をすることによって、万が一の場合も瞬時に適切な行動を取れるようにすることを目的としています。
従来型の防災訓練との違い
大きな違いは、シェイクアウト訓練では「そのときにいる場所」で「自分で」行うということです。
従来型の防災訓練では
・学校で火災の発生を想定した集団避難訓練
というように場所と内容があらかじめ決められていて、リーダーの指示に従う方法がとられています。
指示を待つ訓練方法だと、どうしてもいざという場合に臨機応変な対応をすることが難しいです。
一方、シェイクアウト訓練では、自分が今いる場所が訓練する場所になるので、より日常に近い方法で訓練することができます。
自分自身で考えて行動する訓練なので従来型と比べて、臨機応変な対応することを身につけることができます。
また、自分で意思を持って参加するので、訓練中は指示を待つのではなく、自分で考えて行動をすることが必要です。
2020年のシェイクアウト訓練の予定
今後の訓練の予定は日本シェイクアウト提唱会議のウェブサイトから確認することができます。
全国のさまざまな自治体がシェイクアウト訓練を実施していて、特に東日本大震災が起きた3月11日や防災の日の9月1日に行う自治体が多くみられます。
昨年までは、毎月どこかの自治体で行われている頻度でしたが、2020年に関しては感染症の影響で中止になったケースが多いです。
今後の予定もまだ少ない状態ですが、徐々に増えてくると予想されます。
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シェイクアウト訓練のやり方

やり方はとってもシンプルです!
DROP!(まず低く)➡COVER!(頭を守り)➡HOLD ON!(動かない)のたった3つの動作を意識して行うだけなので誰でも簡単にできます。
それぞれがどのような動作なのか詳しくみていきましょう。
DROP!(まず低く)

1つ目の行動は「DROP!」姿勢を低くすることです。
大きな揺れで自分が倒れてしまわないように、素早くその場で低い姿勢を取ります。
注意点としては、危ない場所に留まることは避けなければいけません。
室内なら食器棚など大きな家具の近くは危ないので離れたり、外なら崩れる危険があるブロック塀や電柱から離れてから安全行動を行う必要があります。
COVER!(頭を守り)

2つ目の行動は「COVER!」頭を守ることです。
実は、地震の際に気をつけなければならないのは地震の揺れそのものではなく、倒れてくる家具や割れたガラスの破片、揺れで落ちてくる落下物です。
自宅やオフィスにいて、固定された机があればすぐに下に潜って頭を守る行動をしましょう。
外出先で潜る場所がなければ、カバンで頭を守るようにします。
HOLD ON!(動かない)

3つ目の行動は「HOLD ON!」動かないことです。
火を消さなきゃ、建物の中ならまず外に出なきゃとつい動きがちですが、身の安全のために重要なのは揺れが収まるまで動かないことです。
東京消防庁の『家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック』によると、地震のけがの要因は約30%~50%が家具の落下や移動によるものとのことです。
慌てた行動が、結果命を脅かすことになりかねないので、姿勢を低くして頭を守りながら揺れが収まるの待ちましょう。
シェイクアウト訓練に参加するメリット
シェイクアウト訓練に参加することによって得られるメリットは以下の3つです。
・その場ですぐ訓練できる
・防災意識が高まる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
いざというときに適切な行動ができる
地震が起きると、まずなにをしたらいいの?とパニックになりがちです。
シェイクアウト訓練で適切な行動を身に着けていれば、どうすればいい?と悩む前に行動ができるようになります。
安全で適切な行動をスムーズに行えるようになると、大切な命を守ることにつながります。
その場ですぐ訓練できる
シェイクアウト訓練が気軽に参加できる一番の理由です。
決められた時間に決められた場所に行くというわずらわしさがなく、自分がいるその場所が訓練場所になります。
地震はいつどこで起きるかわかりません。
自宅の中かもしれないし、通勤途中の道や駅、スーパーの中かもしれません。
その場ですぐできるということは、自分が普段いる場所で訓練できるということなので、より日常に近い方法で訓練ができます。
防災意識が高まる
シェイクアウト訓練は自分から参加する防災訓練です。
もちろん家族や友人と参加することも可能です!
家族と一緒に参加をすれば、終わった後も自宅の防災対策を見直したりいいきっかけになりますよね。
友人と参加してSNSでシェアをすれば、まだシェイクアウト訓練が未経験の人に興味を持ってもらえることにもなります。
こうして自分の防災意識を高めることがだけでなく、家族や周りの人の防災意識を高めることにつながるのがシェイクアウト訓練の魅力です。
シェイクアウト訓練に参加する方法
では、シェイクアウト訓練に実際に参加する方法をみていきましょう。
主な主催機関
市町村などの自治体が主催することが多いのですが、都道府県が主催で学校や公共機関などに参加を呼びかける場合も多くあります。
参加登録の方法
日本シェイクアウト提唱会議のウェブサイトから、全国各地のシェイクアウト訓練の情報を確認できます。
参加をしたい自治体名を選び、「参加登録ページへ」というボタンへ進みます。
必要事項を入力して、「送信する」ボタンをクリックするだけで参加登録は完了です。
まとめ
シェイクアウト訓練は、地震の発生直後に命を守るための初期動作(DROP!➡COVER!➡HOLD ON!)を身に着けるのに最適な防災訓練です。
これまで大地震とは無縁で防災を学ぶ機会があまりなかった…という人もシェイクアウト訓練に参加すれば防災を意識し始めるいいきっかけとなるでしょう。
自宅でも自宅外でも誰でも簡単に防災訓練に参加できるので、いざというときの行動に自信がない人はぜひこの機会に参加してみてはいかがでしょうか?
シェイクアウト訓練で地震直後の行動を学んで、防災セットの見直しや防災備蓄の準備につなげてください。
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