土砂災害や浸水害、台風や洪水災害というように、日本では毎年のように大雨による災害のニュースが流れています。
そこで気象庁が2021年6月に公開したのが「キキクル」というリアルタイムで危険情報がわかるマップです。
この記事ではキキクルについて解説するとともに、使い方についてもご紹介します。
ハザードマップとの違いが知りたい人もぜひ最後まで読んでみてください!
気象庁のキキクルとは?
キキクルとは
キキクルとは気象庁の危険度分布の愛称で「危機が来る」が由来です。
危険度分布は、大雨や洪水による災害発生の危険度がどのくらい高いのか、5段階紫や色分け表示してリアルタイムに表示される地図のことで、6時間前から10分刻みの変化を見られます。
無料で気象庁のホームページで公開されているのでGoogleやYahoo!で「キキクル」と検索すれば使用できます。
残念ながらiPhoneにもAndroidにもキキクルのアプリ版はありませんでした。
キキクルはどんなときに使う?
キキクルは台風が近づき、大雨警報や洪水警報が発表された場合や、線状降水帯といった豪雨が予測される場合といった、大雨によって現在地は安全であるか確認し、自主的な避難の判断に活用したい場合に役立ちます。
キキクルにて危険度を確認できるのは大雨による次の3つの災害です。
・浸水害
・洪水災害
また、キキクルにも3つの種類があり、それぞれの災害に対応して
・浸水キキクル
・洪水キキクル
として公開されています。
土砂キキクルを使うタイミングとは
土砂キキクルは大雨警報(土砂災害)を補足する情報で土砂災害発生の危険の高まりを5段階の色分けで示したものです。
大雨警報だけではわからないような、どこで土砂災害の危険性が高まっているかを土砂キキクルを見ることにより予測できます。
大雨警報や土砂災害警戒情報が発表されたら土砂キキクルも併せて活用しましょう。
下記の色分けのうち、赤色以上の危険度となった場合には早めの避難が求められます。
土砂災害は大雨の最中だけでなく、やんだ後にも起こりやすいので十分に注意してください。
浸水キキクルを使うタイミングとは
浸水キキクルは大雨警報(浸水害)を補足する情報で内水氾濫の危険の高まりを5段階の色分けで示したものです。
大雨によって下水道の処理が追いつかなくなったことによる浸水害のことです。河川とは離れた町中でも起こりえます。
大雨警報だけではわからない「どこで浸水の危険性が高まっているか」を予測できますので、大雨警報が発表されたら浸水キキクルも併せて活用しましょう。
下記の色分けのうち、赤色以上の危険度となった場合には周囲よりも低い家屋にお住まいの方は2階に上がったり屋上へ移動するといった垂直避難が求められます。
浸水対策グッズとして土のうが一般的ですが、水で膨らむ土のうをだと省スペースで備えられます。
特に周囲よりも低い土地や、アンダーパス、地下室は注意してください。
洪水災害キキクルを使うタイミングとは
洪水キキクルは洪水警報を補足する情報で洪水発生の危険の高まりを5段階の色分けで示したものです。
指定河川洪水警報とはことなり、洪水キキクルは中小河川を中心が対象となっています。
洪水警報が発表されたら、まだ河川の水位が上る前の状態から洪水キキクルも併せて活用しましょう。
下記の色分けのうち、できる限り赤色の危険度となる前の避難が求められます。
洪水の場合、逃げ遅れると家ごと流されてしまう危険もあります。堤防の近くの方も、決壊した場合を想定し、早めの行動を心がけてください。
キキクルの使い方
キキクルにアプリはありませんので、スマートフォンかパソコンで「キキクル」と検索して使用します。
この記事ではスマートフォンの画面を見ながら実際に使用していきます。
キキクルの主な機能
キキクルの主な機能は以下の4つです。
・時間の切り替え
・マップの切り替え
・ハザードマップとの重ね合わせ
地図の拡大、縮小
一般的なマップの操作と同様に右側の+と-ボタンで地図の拡大と縮小ができる他、ピンチイン・ピンチアウトといった指の動きでも拡大と縮小が可能です。
また、+の上部にあるマークを押すと現在地の状況をすぐに把握できます。
時間の切り替え
下部の矢印マークを押し続けると、最大で6時間前までの状況までさかのぼれる他、10分ごとの細かい刻みで状況を把握できます。
被害がどのように迫ってきているのかという点が、時の経過とともにとてもわかりやすいです。
マップの切り替え
マップの下部には丸いボタンが4つ並んでおり、それぞれ左から土砂災害、浸水害、洪水害、ハザードマップとなっています。
ワンタッチでそれぞれのキキクルへの切り替えが容易にできます。
土砂災害キキクル
浸水害キキクル
洪水害キキクル
ハザードマップとの重ね合わせ
一番右のボタンを押してハザードマップを重ねた場合と重ねてない場合の表示の違いを見てみましょう。
洪水害キキクルのみ
ハザードマップをONにした場合
ハザードマップで予めわかっている危険箇所(赤色)が一緒に表示されました
地図の色の意味がわからなくなったら
危険度分布(キキクル)の色分けは以下の5段階にわかれています。
濃い紫色 | 極めて危険 |
薄い紫色 | 非常に危険 |
赤色 | 警戒 |
黄色 | 注意 |
無色 | 今度の情報等に留意 |
この5段階の色分けがわからなくなった場合はキキクルの左上の3本線ボタンを押して、説明を押すと色分けの意味を再確認できます。
まだ使ったことない方は一度開いてみて、早期避難に繋げましょう!
キキクルの通知サービスも活用する
キキクルでは、以下の協力事業者を通して警戒レベル4に相当する(うす紫色で非常に危険)などへの危険度が迫った場合にプッシュ型で通知するサービスを提供しています。
災害時は被害が進むスピードが想像以上に早い場合も考えられますので、通知サービスを活用することで、より安全な早期避難につなげることが可能となります。
協力事業者はこちらからも確認できるので自分が普段から使うアプリや気になる防災アプリをチェックしてみてください。
もしそなのイチオシはGEHRNの特務機関NERV防災アプリです。とにかく情報が早い!
ハザードマップも併せて活用することが大切
キキクルはリアルタイムに特化したマップなので、ハザードマップで事前に土砂災害や洪水、浸水害が起こりやすい場所を把握することが最も大切です。
ハザードマップを確認する際は、自宅近辺だけではなく、避難所の場所、避難所のルートを決めて実際に歩いてみることをおすすめします。
マップだけではわからない危険物は実際に歩いてみないと把握できません。
ハザードマップで事前に危険を把握し、キキクルでリアルタイムの状況を把握するという2段階の備えでより安全な早期避難を心がけましょう。