阪神淡路大震災では、怪我をした人の原因の8割が家具の転倒によるものでした。
防災対策となると、まず防災グッズをいろいろ買おうと試みる方が多いのですが、実はまず最初に行うべきことは『家具の転倒防止策』です。
家具が倒れてこなければ怪我をするリスクは大幅に下がりますし、家の中が安全なら自宅避難をすることができます。
この記事では賃貸でも設置可能な家具転倒防止板、ニトムズふんばる君とミツギロンのたおれんゾウの比較レビューをしていきます。
家具の転倒防止策の重要性
転倒防止策を行わなないまま大地震が起こってしまうと、家具や家電が倒れて怪我をするだけではなく、圧死という命を落とす結果にも繋がりかねません。
運良く怪我をせずに済んだとしても、家具が倒れて物が散乱した室内では避難生活を送ることが難しくなりますし、つまずいて転倒やガラスの破片で怪我をするといった二次被害まで起こってしまいます。
防災グッズを備えていても、使えるのは身と場所の安全が確保できた場合なので、まずは家具の転倒防止を行うことが防災の最重要項目であると言えます。
家具転倒防止板とは
家具転倒防止板とは、家具の下に挟み込んで家具を壁寄りに傾斜をつけることによって、家具を転倒しにくくする耐震グッズです。
安価で購入できるにも関わらず家具や床、壁を傷つけることなく簡単に設置ができるので、賃貸にもおすすめします。
ネジやクギももちろん不要です!
家具転倒防止板が使える場所と使えない場所
設置する際にすることは、家具の下に敷くだけというとってもお手軽な耐震グッズですが、家具転倒防止板には次のように使える場所と使えない場所があります。
・タンスやカラーボックスなど脚付きではない家具全般
・脚付き家具
・家具の後ろに壁がない場所
・凹凸のある床やクッション性のある床の上
家具転倒防止板が使えるか使えないの違いに家具の高さや重さは関係ありません。
フローリングといった平らでしっかりとした床であり、脚付きの家具でなければ設置が可能な家具転倒防止グッズとなっています。
子供がいるとジョイントマットを敷いている家庭も多いかと思いますが、床が柔らかいと十分な効果が得られません。その場合は設置部分だけフローリングにするといった対処をおすすめします
家具転倒防止板の選び方
家具転倒防止板を選ぶポイントは以下のとおりです。
・突っ張り棒と併用ができるか
・巻き付きタイプか切り分けタイプか
振動試験が行われているか
大手メーカーの家具転倒防止板であれば、過去に起こった地震と同等もしくは震度5〜6ほどの振動で転倒を防ぐかどうかの振動試験が行われていることが多いです。
しかし、100均で販売されている家具転倒防止板だと見た目はそっくりでも、このような試験結果記載がない場合がほとんどなので注意が必要です。
販売されるまでにしっかりと試験が行われており安心して購入できるものを選びましょう。
突っ張り棒との併用ができるか
賃貸でもできる家具転倒防止策として、家具転倒防止板と突っ張り棒の併用が推奨されていますが、中には突っ張り棒との併用が不可とされている商品もあります。
突っ張り棒と併用したい場合には、併用が可能かどうかを事前に調べるといった商品選びに気をつける必要があります。
巻き付きタイプか切り分けタイプか
家具転倒防止板は巻き付いた状態で販売されているタイプと、30cmほどずつに切り分けられている直線タイプがあります。
実際に両タイプを試しましたが、個人的は巻き付いていないほうが設置しやすいかなという印象です。
この点は好みで使いやすそうな方を選びましょう。
ふんばる君とたおれんゾウの比較
今回は、家具転倒防止板として有名な2つの製品を比較しました。
見た目はほとんど変わらないのですが、実はふんばる君とたおれんゾウには決定的な違いがあります。
価格 | ふんばる君 | たおれんゾウ |
大きさ | 60cm、90cm 、120cm | 60cm、90cm |
素材 | 非移行性合成樹脂エラストマー | ポリエチレン |
色 | 半透明 | クリア |
価格(Amazon、90cm) | 890円 | 670円 |
ふんばる君
まずは家具転倒防止板として大手のニトムズのふんばる君のレビューです。
ふんばる君のメリット
ふんばる君の一番のメリットは突っ張り棒との併用が可能なことです。
家具の固定方法としては、壁にL字金具を使用することが一番高い効果が得られますが、穴を開けられない賃貸ではそうはいきません。
そこで賃貸でできる最も効果の高い方法が『家具転倒防止板と突っ張り棒の併用』となります。
天井との距離がある低い家具といった突っ張り棒の使用がそもそもできない家具を除いて、突っ張り棒が使用できる使える背の高い家具を固定するなら、ふんばる君とのあわせ技が賃貸ではベストであると言えます。
食器棚の下に設置していますが、半透明タイプなので全く目立たないのが嬉しいポイント!
また、ふんばる君は丸まった状態の商品から、切り分けられた板状の商品にリニューアルされています。
丸まっている商品だと、伸ばしながら設置するのにやや手こずるのですがふんばる君ではそのわずらわしさがありません。
ちなみに、板状のリニューアルバーションはアマゾン限定です
ふんばる君のデメリット
ふんばる君自体のデメリットが特に見当たらないのですが、次に紹介する『たおれんゾウ』と比べるとわずかながら値段が高めです。
同じ90cmで比べると200円ほどの差がありますが、突っ張り棒が使用できる背の高い家具であればニトムズのふんばる君が最もおすすめです。
ニトムズのふんばる君は阪神淡路大震災の波形を使用した震度6弱相当の揺れの試験にて食器棚の転倒を防止しており、安心度が高いですよ
たおれんゾウ
続いてふんばる君と並んで有名なたおれんゾウのレビューです。
たおれんゾウのメリット
たおれんゾウの最大のメリットは価格が安価なため、より手軽に設置ができるということです。
Amazonでも、ふんばる君より安価で販売されています。
たおれんゾウも同様に、震度6相当の振動テストも行っているので安心ですよ
たおれんゾウのデメリット
たおれんゾウには、大きなデメリットがあります。
それは「突っ張り棒と併用できない」とされていることです。

メーカーHPにも「天井とつっぱるタイプの転倒防止器具とは併用はできません」と公式に記載があります。
しかし、天井との距離がある低い家具にはもともと突っ張り棒の使用が難しいので、突っ張る必要がない低い家具に対して安価で対策したいという方にはたおれんゾウが適しています。
わが家では、低すぎて突っ張ることができないカラーボックスに使用しました!
ふんばる君とたおれんゾウは目的と予算に応じての使い分けがおすすめ
ふんばる君もたおれんゾウも、振動試験をクリアした上で販売されている商品なのでどちらも安心して購入ができます。
家具が高くて突っ張り棒と併用するならニトムズのふんばるくん、背の低い家具で安価に済ませたいならたおれんゾウを選ぶと良いでしょう。
とってもお手軽な家具転倒防止策をぜひ取り入れて、家族や自分の身を危険にさらさないように、自宅の安全度をアップさせてみてください。
\防災の備えの基本はこの3つ/