防災グッズは家族構成や生活環境によって、備えるべきものが変わってくるため「正解」はありません。
定番といわれている防災グッズの中でも、実は自分にとっては必要のないグッズもあります。
この記事では私がカセットコンロを購入した理由を交えつつ、防災にカセットコンロは必要なのかどうかを解説します。
わが家ではイワタニのカセットフー達人スリムⅢを備えています
カセットコンロは防災グッズとして必要なのか?
ガスの復旧は最も遅い
東日本大震災ではガス・電気・水道といったライフラインが断絶し、ガスが9割復旧するまでは電気や水道よりも長い1ヶ月ほどでした。(参照:トクする防災)
ガスが止まってしまうとガス調理ができなくなるのはもちろん、ガスを使用する暖房器具が使えず、お風呂のお湯も沸かせなくなります。
カセットコンロはカセットガスさえ用意しておけば、ライフラインが断絶しても問題なく調理ができるので、災害時に万能な調理手段となります。
カセットコンロを備えている理由
わが家の場合、古い賃貸で暮らしているためオール電化のような電気さえ復旧すればどうにかなる状況ではありません。
正直、カセットコンロは日常であまり活用させていないものなのですが、災害用の備蓄品として欠かせないものであると考えているため迷わずに備えています。
例えば非常用トイレだって、普段から使わないアイテムですが災害時のために備えますよね
しかしカセットコンロの場合は非常用トイレと異なり、お鍋などで季節に使うのはもちろん、災害時のシミュレーションとして防災クッキングで使用できます。
カセットコンロが不要になる場合
家庭の状況にもよりますが、住まいにオール電化が備わっている場合、主な調理手段はガスではなく電気です。
電気さえすぐに復旧すれば調理に困らなさそうですが、大規模災害時には電気も1週間近く使えない可能性があるのでカセットコンロの備蓄は必須でしょう。
もし、IC調理器具にも対応しているような大容量のポータブル電源や、蓄電池といったカセットコンロに代わる調理手段を備えている場合ならばカセットコンロが不要とも言えます。
ただ、なかなか費用がかかる手段なのでハードルが高いです
基本的には、どんな家庭でもカセットコンロを備えておくことがベストではありますが、1人暮らしの場合はスペースを取らない固形燃料という手段もあります。
カセットコンロに比べて火力が弱いことが懸念されますが、かなり省スペースで備えることはできます。
防災におすすめなカセットコンロ
わが家で備えている、防災グッズにおすすめなカセットコンロ、『イワタニ カセットフー達人スリム3』をご紹介します。
イワタニカセットフー達人スリムⅢ(cb-ss-50)の特徴
カセットフー達人スリムⅢが防災グッズに向いている特徴は以下のポイントです
・ガスを無駄なく使うヒートパネル式
・薄くておしゃれなのも嬉しい
ムダ火抑制、縦型炎口バーナー
イワタニの達人スリムⅢに採用されている炎口(炎が出る部分)は、従来よりもタテに長い形にしたものです。
以下のようにガスの炎が外に広がりにくくなることによって、熱のロスが少ない調理ができます。
災害時はカセットコンロの熱エネルギーは貴重です。製品自体でも無駄使いを抑制できればいいですね
ガスを無駄なく使うヒートパネル式
カセットガスボンベは、燃料がなくなるまで一定のエネルギーを出せるわけではなく、燃焼し続けているとだんだん温度が下がってしまい、火力が低下してしまいます。
最後まで火力を維持できるように、そこで、カセットフー達人スリムⅢにあるようなボンベを適度に温める「ヒートパネル」が必要です。
以下の図のようにヒートパネルの有無では発熱量に大きく違いがでてきます。
ヒートパネルがあることによって、無駄なくガスを使えます
薄くておしゃれなのも嬉しい
自分が小さい頃のカセットコンロというと分厚くて場所をとるし、なんだかごつい印象がありましたが、最近のカセットコンロは見た目も非常におしゃれです。
中でもカセットコンロ達人スリムⅢが厚さ74mmというイワタニのカセットコンロ中でも一番の薄さなので、使いやすい上に収納場所にも困りません。
どうせならおしゃれで機能がいいものを選びたかったので達人スリムⅢを見て、これだー!となりました
カセットコンロを備える際の注意点
カセットコンロは気軽に使える安全な器具ではありますが、火を扱うものなのでいくつか注意するべき点があります。
カセットボンベはメーカー品を使う
カセットガスはメーカーが異なっていても見た目がほとんど変わらず、中身も一緒で問題が内容に思えるのですが、安全性が確保できないことからメーカー指定のカセットボンベを使用することが求められています。
カセットこんろは、「指定された専用の器具・容器(ガス)」の組み合わせでお使いいただくことと法令上定められています。(液化石油ガス器具等の技術上の基準等に関する省令)引用元:イワタニ
イワタニによると、異なるメーカーのカセットボンベだと火力が落ちてしまったり、ガス漏れが発生するといったことが起こる可能性があるとのことです。
ただ、わが家でも以前のカセットガスが余っていたので使用してみると、使うことはできました。
しかし、異なるメーカーのカセットガスを使用して故障が起きてしまった場合には保証が受けられない可能性がありますし、事故が起こる可能性も否定はできないのでやはりメーカー品を使用することが安心です。
カセットコンロやカセットボンベにも使用期限がある
カセットコンロやカセットボンベにも使用期限があるので、安全に使用するために確認しておく必要があります。
カセットボンベの使用期限:製造から約7年
カセットフー達人スリムⅢの場合は、側面にシールで記載がありました。
こちらの製造年月は2019年11月であることがわかります。
また、カセットボンベの場合は底面に記載があることがほとんどです。
このカセットボンベの場合は2020年10月2日が製造日です。
備蓄に必要なカセットボンベの量
カセットコンロはカセットボンベがなければ使用できません。各家庭の備蓄に適した量を準備しておきましょう。
カセットボンベがⅠ週間にどれほど必要なのか、イワタニが試算した図が非常にわかりやすいのでご紹介します
気温が10℃の場合
気温が25℃の場合
気温が低ければもちろん、必要な熱エネルギーは多くなるのでこのような差が生じます。
また、賃貸のわが家では備蓄におすすめな石油系ストーブが使えないのでカセットボンベで使える暖房を日常使いして多めに備えているカセットボンベをローリングストックするようにしています。
▶防災グッズに必須なカセットガスストーブ風暖のレビューはこちら
防災用としてはケースがあると心強い
カセットコンロは箱に入れてそのまま収納という方も多いかと思うのですが、地震の揺れによって物にぶつかったり、吊戸棚に収納していると落下する可能性もあります。
防災用として備蓄しておくならば、ケースを一緒に購入しておくと万が一の場合も衝撃から守ってくれるのでおすすめです。
カセットコンロは防災グッズの必須アイテム
カセットコンロは防災グッズに必要ないとすると、固形燃料で済む場合や十分な電力を確保してIC調理器具を使える場合のみで、一般的には必須なアイテムとなっています。
なかでもイワタニのカセットフー達人スリムⅢは見た目もスタイリッシュにも関わらず、防災グッズとしておすすめな理由が詰まっています。
カセットコンロを備えた際には、災害時の調理方法をぜひシミュレーションしてみてください。