夏の災害で、一番つらいのが「暑さ」です。
暑さによって体温が上がりすぎてしまうと、熱中症や脱水症につながる危険性があります。
夏の災害では、真夏で外へ避難しなくてはならなかったり、停電が起きてしまって避難場所や避難所のクーラーが動かないことも考えられます。
熱中症や脱水症を予防するには、自分たちで暑さ対策の防災グッズを備えることが必須です。
では、夏用の防災グッズにはどんなものが必要なのでしょうか。
・夏に必要な防災グッズリスト
夏の防災グッズのポイントは体温を下げるグッズです
なぜ夏用の防災対策が必要なの?
夏用の防災グッズを備えなくてはいけない理由は
・脱水対策
・ストレス対策
の3つに分けられます。
暑さ対策
夏の災害で一番注意しなければならないのは、暑さによる熱中症です。
・体温を調節する機能が乱れて体の中に熱がこもってしまった状態
・めまいや吐き気、頭痛の症状からけいれんや意識障害につながることもある
2019年は、5月から9月の間に70.000人以上の方が熱中症で救急搬送されました。(参考:総務省消防庁)
災害時に電気が使えない状況だと、クーラーが使えなくて体温が上がってしまい、普段以上に熱中症の危険性が高まります。
体温を下げるグッズや、直射日光を避ける対策の積み重ねが「命を守ること」になるので、必ず備えましょう。
また、暑さで眠れないと体力が低下して熱中症になるリスクが高まるので不眠対策もとても重要です。
熱中症は命にも関わる危険な状態なのでできる限りの対策をしましょう
脱水対策
夏の暑さでは熱中症のみが注目されがちですが、実は脱水症も油断は禁物です。
・体液(水分と塩分)が不足している状態
・食欲減退や手足の震えに加え、熱中症の症状につながる
脱水症とあるので水分だけが不足しているように見えるのですが、実は塩分も不足している状態です。
そして水分と塩分が不足した状態が続くと熱中症の症状に繋がってしまうので、汗をかいたら水分と塩分を一緒に取ることがポイントです。
脱水症状にならないように、水分補給をこまめに行いたいので保存水を多く備えましょう。
喉の乾きを感じる前にこまめに水分補給することが効果的な予防法なので、自分から飲めない赤ちゃんは注意が必要です。
ストレス緩和
避難生活はただでさえストレスを感じるのに、夏は蒸し暑さや汗のベタつきなどで余計にストレスを感じやすいです。
ストレスは精神衛生上よくないので、気分を汗と一緒にスッキリさせるグッズも備えておきたいです。
忘れがちですが、ニオイ対策もストレス緩和になりますね
夏に必要な防災対策グッズ10選
夏に備えたい防災グッズのリストは以下のとおりです。
防災グッズ | 備える理由 | おすすめの備える場所 |
マスク(夏用) | 有害物質を吸わないようにするため | 防災ポーチ |
帽子 | 直接日に当たらないようにするため | 防災リュック |
扇子/うちわ/小型扇風機 | 風で体温を下げるため | 防災リュック |
体拭きシート | 断水しても体を拭けるため | 防災リュック/自宅 |
水のいらないシャンプー | 断水しても髪を洗えるため | 防災リュック/自宅 |
経口補水液/(保存水+塩分タブレット) | 水分と塩分の補給が同時にできるため | 防災リュック/自宅 |
冷えピタボディ用/瞬間冷却材 | 冷たさで体温を下げるため | 防災リュック/自宅 |
アイスノン | 寝苦しさを和らげるため | 自宅 |
防臭袋 | ニオイ対策のため | 防災チュック/自宅 |
虫除けスプレー | 虫よけのため | 防災リュック |
それぞれ詳しく見ていきましょう
夏用マスク
災害直後は粉塵が舞ったり、煙が発生したり、空気中に有害物質が多くなることが考えられます。
体に悪いものを吸い込まないようにするためにも、マスクは必ず備えるべき防災グッズの1つです。
防災グッズのマスクとしては衛生面を考えると個包装の使い捨てマスクを備えることが大切です。
夏用として冷感の個包装マスクも販売されています。
通常のマスクでは熱がこもりやすいので、少しでもひんやり感がほしいですね!
帽子
簡単にできる熱中症・脱水症対策は帽子をかぶったり日傘を使ったりして、日陰を作ることです。
帽子だと、軽くて大きな荷物にもならないので持ち出し用の防災グッズに入れておくこともできますね。
最近だと、ヘルメットの代わりに防災用帽子というのも販売されているので、帽子をこれから備える際には選択肢の1つにできます。
帽子の中にプロテクターが備えられているので、普通の帽子以上の性能がある優れものです。
避難時は身なりに気を遣っていられないので、帽子でスッピンや手入れができていない髪の毛を隠せるのは女性として心強いです
扇子/うちわ/小型扇風機
熱中症対策で重要な、体温を下げることにとても有効です。
避難所の暑さ対策だけでなく、自宅での停電対策にもなります。
扇子はコンパクトで持ち運びに便利ですし、小型扇風機は手であおがずに涼むことができるので、1つあるととても便利なグッズです。
扇風機なのにライト付きで非常時にぴったりです
体拭きシート(ウェットシート)
汗のべたつきを解消できてストレスを和らげるだけでなく、熱中症対策で重要な体温を下げることにも効果が有ります。
断水してお風呂に入れない状況でも、体を拭けるシートがあるだけでだいぶスッキリできるので気分転換にも効果的です。
写真のアイスノンの体拭きシートを使ってみると30分程は強い清涼感が続いたので良い気分転換になりました。
大きさも手のひら2枚分あって拭きやすいです。
一方、体拭きシートにも以下のようなさまざまな種類があります。
・香り付きタイプ
・ノンアルコールタイプ
冷感や香り付きタイプのシートにはアルコールがはいっていることが多いので、赤ちゃんや肌が弱い人は使わないようにしましょう。
防災の基本としては使い勝手の良いノンアルコール・無香料の体拭きシートやウェットシートを備えたいところです。
しかし、夏は涼しさや清涼感を優先したいという方は、写真のような冷却効果のある体拭きシートを取り入れるのも良いでしょう。
赤ちゃんがいる家庭は普段のおしりふきを多めに備蓄しておけば◎
水のいらないシャンプー(ドライシャンプー)
髪の長い女性以外でも、断水して髪が洗えないと汗ばんで気分が良くないですし、頭皮のニオイも気になってとてもストレスです。
そんなときに役に立つのがドライシャンプーです。
使い方はとってもシンプル。
髪全体にスプレーして、マッサージしてタオルで拭き取るだけです。
洗わずに汗のベタつきをすっきりすることができるだけでなく、気分もリフレッシュできます。
夏に限らず季節問わず備えたいグッズです
経口補水液
OS1は医療現場にも取り入れられている、軽度〜中度の脱水症状や下痢や嘔吐による脱水にも有効な経口補水液です。
水分だけでなく必要な塩分も一緒に摂取することができます。
繰り返しますが、脱水とは水分が失われるだけでなく、体液(水分と塩分)が失われた危険な状態です。
熱中症と脱水症を予防することができる経口補水液は夏に必ず備えたい防災グッズです。
防災ポーチには普段の水分とプラスに塩分タブレットを持ち歩きましょう
冷えピタ ボディ用/瞬間冷却材
熱中症のサインが見られたら、身体を冷やして体温を下げることが重要です。
そんなときに役に立つのが冷えピタや瞬間冷却材といった冷たいグッズです。
以下の図のように首、脇の下、足の付け根には大きな動脈があります。
この大きな血管を中心に冷やすと効率よく体温を下げることができますよ。
冷えピタだと、赤ちゃんの体にもそのまま貼り付けることができて非常に便利です。
個人的には、湿布薬などの粘着系で肌荒れを起こしがちなので瞬間冷却材の「ヒヤロン」を備えています。
いずれも冷やしすぎには要注意です
アイスノン
熱冷まし用以外にも夏の暑さ対策・寝苦しさ対策としての定番アイテム。
停電時にクーラーが使えないときには大活躍です。
災害時、暑苦しくて眠れないと体力を回復させることができません。
体力が回復できないと熱中症リスクが高まってしまうので、1つあると停電対策になるほか、普段からも安眠グッズとしても使えます。
昭和40年の発売以来、長く使用されている安心のロングセラー商品です
防臭袋
夏はニオイがとても気になる季節です。
見落としがちですが、食べ物のニオイやゴミのニオイなど、気になり始めたらとてもストレスを感じてしまうのでニオイにも注意が必要です。
中でも赤ちゃんのオムツ用消臭袋として有名なBOSの防臭袋は、さまざまなニオイをシャットダウンすることができます。
ビニール袋代わりに防災リュックに入れておきたいグッズの1つです。
我が家では赤ちゃんに使っていることもあって大容量の箱タイプ(Mサイズ)を備えています。
また、BOSの防臭袋が使用されている非常用トイレはニオイがもれないので、非常用トイレの選び方で悩んでいる方におすすめです。
※パッケージが異なるのは、より便利にリニューアルしたためです
虫除けスプレー
盲点になりそうなのですが、子供がいる家庭では必ず備えたいのが虫除けスプレーです。
虫刺されは油断できません。
虫に刺されて子供がかゆみを我慢できずにかきむしると「とびひ」になる可能性もあるので、まずは虫に刺されないように予防を心がけたいです。
合わせて普段使いのかゆみ止めをセットにして防災リュックにいれましょう
まとめ
夏の防災対策で必要なのは暑さ対策と脱水対策、ストレス対策です。
特に、ライフラインが止まった際に命の危険を伴う熱中症と脱水症にはならないように、夏用の防災グッズを備えましょう。
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