災害が起きて停電や断水が起きてしまうと、ミルクのお湯を沸かせなかったり断水で哺乳瓶を洗えないといった問題が起こります。
そんなときに役に立つのが「液体ミルク」と「使い捨て哺乳瓶」です。
万が一の場合も、安心してミルクを与えられるように、赤ちゃんがいる家庭ではこの2つの備えが欠かせません。
2020年6月現在、発売されている国産の液体ミルクは以下の3種類です。
・明治 ほほえみらくらくミルク
・雪印 ビーンスターク すこやかM1
3つの液体ミルクの比較レビューを交えながら、それぞれのおすすめポイントや選び方を解説します。
・液体ミルクの使い方
・液体ミルクの温め方などの疑問について
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液体ミルクとは?
液体ミルクとは、常温でそのまま哺乳瓶に注ぐだけで飲ませることができる手間がかからない新しいミルクです。
ミルクの粉を計量する必要もなく、飲みきりサイズで長期保管が可能なので災害対策にぴったりなんです。
液体ミルクを備えるメリット
液体ミルクを備えるメリットしては主に3つあります。
・調乳が不要
・災害時以外にも旅行や普段のお出かけに便利
通常の粉ミルクは70度以上のお湯で溶かして、湯冷ましを入れてという工程が必要ですよね。
一方、液体ミルクは調乳済みのミルクを哺乳瓶に注ぐだけなので調乳の手間がありません。
災害時にお湯がわかせない状況になっても、問題なく赤ちゃんにミルクを与えることができます。
また、液体ミルクの魅力は普段のお出かけにも便利なところです。
お出かけの際にミルクの準備って、お湯のボトル・湯冷ましのボトル・粉ミルクと荷物が多くなりがちです。
実際に、おなかを空かせて泣く我が子をあやしながら、なれない場所の出先の授乳室で1から調乳するのはなかなか大変です。
手間を減らしたくて、出かけるときは液体ミルクに頼るようにしたら、哺乳瓶に注ぐだけですぐにミルクを与えられたのでストレスフリーでした。
液体ミルクのデメリット
液体ミルクのデメリットとして主に2つあります。
・冷たくて赤ちゃんが飲まない可能性
メリットがたくさんな液体ミルクですが、一番のデメリットが価格が少々高めな部分です。(平均価格:1つ200円前後)
授乳の度に液体ミルクを使うことは価格の面からも現実的ではありません。
普段から備えておきつつ、お出かけや旅行のときに使うことがポイントです。
また、赤ちゃんはミルクの種類や温度を敏感に感じ取ります。
我が家の娘もそうなのですが、常温の液体ミルクだと飲みが悪くなることがあります。
災害時にいきなり使うと嫌がって飲まない可能性もあるので、まずはあらかじめ試してみることが重要です。
液体ミルクってみんな使っているの?
ここで、実際に液体ミルクを備えたり、使っている人がいるのか見てみましょう。
液体ミルク初めて使ったけどめっちゃ便利。準備始めて秒で飲ませられる🍼 pic.twitter.com/5pS9q1zeqI
— その山 (@sonoyamah) June 11, 2020
先日、お出掛け兼非常時用に液体ミルク購入👶🍼❤
グリコのアイクレオは紙パックだから(?)賞味期限が4ヶ月。
先日発売された明治のらくらくミルクは1年保存可能。
いつまでも🍼飲むわけじゃないけど、非常時用と考えたら明治だね。あと、アイクレオより割安。 pic.twitter.com/ZBeWDQggpD— あんどう(5兆円はよbot) (@nuco5057) April 26, 2019
ほほえみ液体ミルクのアタッチメントセット買ったので早速使ってみたらめっちゃ便利〜〜〜😳しかし140しか飲まずやはりまだまだ200だと多いな…もったいないと思ってしまう😂 pic.twitter.com/FRLUdBB8k0
— 水都 (@mizuto77) June 23, 2020
非常用だけど、お出かけにも使えて便利という声が多いです。
液体ミルクの選び方のポイント
災害に備えたい、液体ミルクの選び方は以下を参考にしてください。
・賞味期限が長いか
・そのまま飲ませられるか
月齢にあった量か
赤ちゃんの月齢によって、1回で飲むミルクの量は変わってきます。
液体ミルクは飲み残しを捨てなければならないので、月齢に合った量のミルクを備えると無駄にせずに済みます。
現在発売されている液体ミルクは、3つとも容量がバラバラなので量で選ぶのも1つの選択肢です。
賞味期限が長いか
備蓄の観点からだと、賞味期限の長さはとても重要です。
粉ミルクだと開封後1カ月が賞味期限とされていますが、液体ミルクだと6カ月〜1年持たせることができます。
1年の賞味期限の液体ミルクを購入したら、新生児から1歳になるまでもたせることができるので早めに備えても安心ですね。
そのまま飲ませられるか
哺乳瓶に移し替えることなく、そのまま飲ませることができたら断水時に困る哺乳瓶の洗浄・消毒が不要です。
現在、アイクレオとほほえみの2種類で専用の乳首やアタッチメントの発売があるので、防災用としても非常に便利なグッズです。
すこやかM1に関しては今のところ未定ですが、今後発売の可能性もでてくるかもしれません。
災害時におすすめな液体ミルクの比較
以下が3つの液体ミルクを比べた表です。
グリコ アイクレオ | 明治 ほほえみらくらくミルク | 雪印 ビーンスターク | |
価格 | 200円(税抜) | 215円(税抜) | 215円(税抜) |
大きさ | 約3cm×5cm×9cm | 約6cm×9cm | 約4cm×11cm |
重さ | 138g | 293g | 246g |
容量 | 125ml | 240ml | 200ml |
賞味期限の長さ | 製造後6カ月 | 製造後1年間 | 製造後240日 (今後延長予定) |
パッケージ | 紙パック | スチール缶 | スチール缶 |
保存方法 | 常温 | 常温 | 常温 |
対象月齢 | 0カ月〜 | 0カ月〜 | 0カ月〜 |
直接飲めるか | 専用乳首有り | 専用アタッチメント有り | 今のところなし |
それぞれ詳しく見ていきます
グリコ アイクレオ 赤ちゃんミルク
グリコの「アイクレオ赤ちゃんミルク」は、日本初の乳児用液体ミルクです。
アイクレオの特徴
アイクレオの特徴としては以下が挙げられます。
・紙パックで軽い
・125mlと他社に比べて少量
・専用乳首で直接飲ませられる
アイクレオ公式ホームページによると、母乳に近い栄養成分で作られているので、味はもちろん香りまで母乳に近づけられています。
繊細な赤ちゃんの体にも優しい液体ミルクです。
唯一の紙パックの液体ミルクで、125mlと少量なので、持ち歩きに便利な軽さです。
2カ月ごろまでの赤ちゃんや、離乳食が進んで飲む量が減ってきた赤ちゃんにちょうどいよい量となっています。
紙パックですが、ストローつきなので簡単に哺乳瓶に注ぐことができます。
また、チュチュベビーから発売されている専用乳首を取り付けることによって、哺乳瓶不要で飲ませることができます。
明治ほほえみらくらくミルク
明治ほほえみらくらくミルクは、国内で2番目に作られた液体ミルクです。
明治ほほえみらくらくミルクの特徴
明治ほほえみらくらくミルクの特徴としては以下が挙げられます。
・スチール缶で賞味期限が長く、衝撃に強い
・240mlの大容量
・専用のアタッチメントで直接飲ませることができる
お出かけの際に、明治ほほえみのキューブタイプを使用している方も多いのではないでしょうか。
私もその一人なのですが、ほほえみシリーズで栄養成分がほぼ同じということで飲み慣れている味のミルクを与えられるのは赤ちゃんにとっても安心です。
紙パックだと物が倒れた衝撃などでつぶれてしまう危険があるのですが、その点スチール缶だと衝撃に強くて備蓄向きだと言えます。
量がたっぷりとあるのでやや重ためでではありますがそれでも300g以下です。
3種類の中で一番大容量の240mlなので3カ月以降の赤ちゃんにはたっぷり飲むのにぴったりですね。
明治ほほえみらくらくミルクでは専用のアタッチメントが販売されているので、ピジョンの母乳実感の乳首をそのまま使うことが可能です。
雪印ビーンスタークすこやかM1
雪印BeanStalkすこやかM1は2020年4月に発売されたばかりの一番新しい液体ミルクです。
雪印BeanStalkすこやかM1の特徴
雪印BeanStalkすこやかM1の特徴は以下が挙げられます
・スチール缶で、細長い形状
・アイクレオとほほえみの中間量の200ml
ビーンスタークすこやかM1と同等の栄養配合ということで、こちらもすこやかを愛飲している赤ちゃんにはピッタリの液体ミルクですね。
らくらくミルクと比べてやや少なく、細長い形状なので防災リュックにもすっきりと収納できます。
内容量が200mlなので、多すぎず少なすぎず、幅広い赤ちゃんにぴったりな量といえます。
赤ちゃんが液体ミルクを実際に飲んでみた
現在10カ月の娘が飲んでくれるか、実際に3種類の液体ミルクを飲ませてみました
MEMO
娘のミルク歴
生後半年頃まで完母。混合にするため日中は和光堂のはいはいを飲用
アイクレオ 赤ちゃんミルク
消毒済みのきれいな哺乳瓶を用意して、よく振ってから紙パックにストローをさして直接哺乳瓶に注ぎます。
紙パックを押しながら注ぐとすぐに移し替えることができました。
アイクレオの公式ホームページでは授乳まで約10秒との記載があったのですが、ストローをさしてから125mlを移し替えるのに10秒もかかったかな?と思うほどスムーズでした。
今回、アイクレオを飲むのが2回目だったのですが、常温のまま問題なく飲みきってくれました。
アイクレオ赤ちゃんミルクのまとめ
・紙パックで軽いので普段の持ち歩き向き
・主に低月齢の赤ちゃん(2カ月頃まで)や離乳食が進んであまり量を飲まなくなった赤ちゃんにぴったり
・はいはいを飲用している娘が問題なく飲めた
らくらくミルク
消毒済みのきれいな哺乳瓶を用意して、よく振ってから缶を開けてそのまま直接哺乳瓶へ注ぎます。
赤ちゃんも満足な、たっぷり240mlです。
らくらくミルクは何度かお出かけで飲んでいますが、一度も嫌がったことはありません。
量が多い分、赤ちゃんが飲みたいだけ飲めるので足りなくなるという心配がなくて重宝しています。
明治ほほえみらくらくミルクのポイントまとめ
・スチール缶でつぶれる心配がなく、1年の賞味期限で自宅備蓄向き
・240mlの大容量なので3カ月頃からたくさん飲みたい赤ちゃんにぴったり
・専用アタッチメントでピジョンの母乳実感の乳首が使える
雪印ビーンスタークすこやかM1
これまでと同様、消毒済みのきれいな哺乳瓶を用意して、よく振ってから缶を開けてそのまま直接哺乳瓶へ注ぎます。
雪印ビーンスタークすこやかM1のポイントまとめ
・スチール缶でつぶれる心配がなく、細長い形状なのですっきりと収納できる
・200mlなので幅広い赤ちゃんにぴったり
・アタッチメントや専用乳首の販売情報はまだ未定
液体ミルクの疑問
液来ミルクに関するよくある疑問をまとめました。
液体ミルクはどこで売ってるの?
Amazon、楽天などのネット通販の他、薬局や一部コンビニ(ローソン。ファミリーマート)や赤ちゃん用品店で購入ができます。
明治ほほえみらくらくミルクに関しては、取り扱い店舗を「ママパパマップ」という授乳室検索サイト(アプリ)で確認できます。
ママパパマップとは、GPS連動型で現在地から周りの授乳室・オムツ替え台の検索ができるアプリで、利用者の口コミや写真の投稿が集まりながら作られていく便利なマップです。
初めて行く場所なんかはママパパマップがないと出かけられない程、お世話になっています
液体ミルクをどうやって温めたらいいの?
缶や紙パックのままで電子レンジで温めなどはできないので、別容器に移し替えるか、哺乳瓶に移してから湯せんする必要があります。
しかし、災害時にライフラインが停止した場合を考えると別の方法が必要ですよね。
思いつく限りでは、次の3通りが考えられます。
・カイロで温める
・発熱剤を使用して温める
このうち、カイロで温める方法を簡単に紹介します。
使用するのはミルク・カイロ・タオルです。
カイロで哺乳瓶をはさんで
保温性を高めるために、タオルでくるんでいきます。
ゴムで留めてこのような状態になります。
このまま振ったりしながら温まるのを待つだけで大丈夫なので、電気もいらず場所を問わずとても手軽です。
ただし、今回は想定外にカイロが発熱するのに時間がかかってしまい、ほかほかに温まるまでに50分ほどかかってしまいました。
今回は自宅にあった貼らないタイプのミニカイロ2つで試したので、大きいカイロやすぐに発熱するカイロを使用したら大幅に改善が見込めそうです。
もしくは、ややぬるめでも大丈夫な赤ちゃんでしたら短い時間でも問題ないですね。
特に冬だと缶が冷たくなりがちなので、少しでも温めて飲ませたいときに重宝する方法です。
災害時に使える1つの方法として覚えておいて損はありません。また別のカイロで試したら追記します!
もっと手っ取り早く温めるには、以下の発熱剤があると赤ちゃんを待たせることなく適温にできます。
私も実際に備えているのですが、発熱剤があれば離乳食を温める際や大人の食事の温めの際にも助かります!
飲み残しはどうしたらいいの?
飲み残しは衛生上の理由から必ず破棄してください。
ミルクは栄養が豊富なので、菌が発生しやすいためです。
もったいないですが、赤ちゃんの健康を損なわないためにも必ず守りましょう
液体ミルク3種類の比較のまとめ
防災の観点から現時点でおすすめしたいのが、哺乳瓶いらずで直接飲ませることができる「アイクレオ」と「ほほえみ」の2種類です。
この2つは量に差があるので、赤ちゃんの月齢や飲む量に合わせて選択すると良いでしょう。
娘の場合はその液体ミルクでも問題なく飲むことができましたが、赤ちゃんによって味の好みもあります。
赤ちゃんがストレスなく飲めることが一番ですので、普段の粉ミルクがすこやかなら「すこやか」を備えるなど、粉ミルクに合わせて備えるのも一つの手ですね。
災害用としてはもちろん、普段のパパママのミルク作りの大変さをなくしてくれるアイテムなので、まだ使ったことがないという方はお出かけの際に取り入れてみましょう。